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早すぎた目覚め




気がつくと、しぃは見知らぬ霧の世界にいた。

……え、なに?

唐突だった。
仰向けに倒れている自分は、先ほどまで眠っていたようで体がだるい。
まずは現状確認をすべきだという指令が、頭をゆっくりと駆け巡ったので、
半身を起こしておぼつかない周囲を見渡すと、

「なんだろ…」

少し奥の方で、太い黒線のレールが横掛けに弧を描きながら、見えない彼方へとその身を伸ばしているのが見えた。

「……橋?」

そこから視点を手前の方に持ってくる事で、自分は何やら水辺沿いに居ることが分かった。
他に分かることはない。
じっとしていても進展がないように思われたので、唯一確認出来た橋の元へ赴く事にした。

                              ◆

橋を間近で見たしぃは愕然とした。
それは実に奇妙な形を成している――というよりこれは橋と呼べるものだろうか。
橋脚も無いのに欄干だけが彼方へと伸びていて、路面は無い―こんなものでは到底渡れるわけがない。
ふぅ、とため息をついて、他に何か無いかと再び辺りを見渡して、しぃはようやくある違和感に気づいた。
常日頃の景色から足りない物がある。
今見ている景色は、その"色"に当たる部分が不足しているのだ。
橋"もどき"を映し出しながら揺れる水面も、己を支えている大地も、さらには水面に映し出されている自分の姿さえも、
白と物体の輪郭を形作る黒、それが全てだった。別段、眼がおかしくなったわけではないはずなのに。
いよいよ本気で、此処はどうなってるんだ、と考え始めた時だった。

「目覚められてしまいましたか」

不意に背後から響いた声に、しぃは身をびくつかせた。
振り向き様に身構えたが誰も居ない。

「これは予想外な事態」
「誰なの!?」
「処置を早急に成さねば……」
「出てきなさい!」
「失敬。 今出てきます」

声に応じるように地面そのものが揺れた。
続くように、白の大地の一角が割れて、突き上げられ、中から現れたのは、

「………!」

身の丈をゆうに超える石像だった。
しぃは圧倒されながらも、なんとか言葉を振り絞った。

「……モアイ?」
「訂正要求」

少し突拍子すぎたか。

「じゃあ何なの?」
「私は、ただの媒体。言伝を頼まれました」
「誰から?」
「"貴女はまだ眠っているべきです"、……以上が言伝です」

訂正は要求したくせに、こちらの質問は無視だ。また、その一方的な返答内容の意味もまた全く分からない。

「ちょっとあんた!いいから状況を分・か・り・や・す・く説明しなさいよ」
「処置を執行します」

石像の目が光った。それをまともに受けて、しぃの意識は朦朧として消えてゆく。
意識が完全に吹っ切れる、その直前で、しぃは確かに聞いた。

「貴女がこれから生きる世界はまだ出来ていないんです」

一息。

「すいません。それは紡がれる段階どころか構想さえもまだ、
…それが出来る前に"登場人物"を一人立ちさせる訳にはいかない」

くすりと笑う声がして、

「だから、もう少し眠っていてください。私の物語の"ヒロイン殿"」

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1/5日(土)のチャット(日付はうろ覚え)でお世話になった方もいますが、({};;;;ij .. ij ;;{}こんなの名乗ってました)
どうも皆さん初めまして。

此処での投稿はこれが初めてとなります。
実質完結させた作品はまだ一つもない為、連載は愚か短編さえ書くのに不安要素満載だったり、
現在は多忙な為、本格的な活動は一、二ヶ月先になったりしますが、
今後なにとぞよろしくお願い致します。


2008年01月15日(火) 23時38分07秒 公開
■この作品の著作権は壁さんにあります。無断転載は禁止です。


■作者からのメッセージ
また、現在PCの使用が極めて限られている状態なので、皆さんのコメントに対する返信や、
本文の不具合(誤字、脱字)訂正が殆ど出来ない状態でございます。
ご了承ください…

実はPSPで執筆を試みていたのですが、どうも一定の文字数を超えると、
それ以上入力できなくなるPSPの仕様があるようです。

>>伊予氏 楽氏
返信ありがとうございます。
短編を書いたのはこれが初めてなので新鮮でした。
チャットで出ていた話通り、短編作成は本当にこれで終えて良いのか、と悩んでしまい、なかなか割り切れないものですね。

またお話し出来る機会を楽しみにしてます。

>>海老天氏
御期待に添えられるよう頑張ります。
>>PSP
回線で言えばPCと同じなので大丈夫みたいです。


この作品に寄せられた感想はこちら。

すっきりとわかり易く、洗練された作風をお持ちですね。
このCGIは携帯からの書き込みはできないようですが、PSPはできるようで。
氏の執筆環境が早く整うことを願います。
投稿お待ちしております。
海老天 ■2008-01-15 23:18 ID : sJ9MtbjgW0Y

{};;;;ij .. ij ;;{}氏もキタ――(゚∀゚)――!!
端整で、神様が世界を構築している途中を垣間見た感じで、
物語への期待がとても高まりました。
本格的な執筆を楽しみにしていますね!

先日はお相手して下さってありがとうございました。
何か私、あの夜は凄い方々とお話ししてたんだなぁ……
丘夜野 伊代 ■2008-01-15 15:51 ID : J9ssoSDWC3o

巧い と思いました。

表現の仕方もそうですが、ストーリーの運び方とオチの付け方もきれいだと思いました。
それと一行あたりの分の長さの揃え方とか改行の仕方とか、
視覚的に読みやすくする工夫もなされているのが好感を持てました。

気が強いシィって私は好きです。



追伸

いつぞやはお世話になりました
 ■2008-01-14 13:12 ID : 5zQSHMHwzAU